MANZEMI背景・パース講座 道具解説/道具紹介

MANZEMI背景・パース講座 道具解説 道具紹介

オススメの筆記用具について、以下に紹介します。

ただし、筆記用具は手に触れるものなので、人それぞれ好みが違いますので、これはあくまでも目安としてください。
また、これは推奨であって、現在使用している各種用具がある人は、無理に買い換える必要はありません。
製品の中には高額なものもありますから、自分の技量と必要性をよく考えて、最初は必要最低限のものを購入しましょう。

シャープペンシル

シャープペンシルは多様な種類があり、それぞれに特徴や利点がありますが、選ぶ際に幾つかのポイントがあります。

まずは、ペン先の金具の長さ。製図用と注釈が入っているシャープペンシルは、一般的な筆記用のシャープペンシルよりペン先の金具が長い場合が多いです。これは、金具が定規の厚みよりも短いと、いわゆる「ペンが定規に乗り上げている状態」になってしまい、線が左右にぶれてしまいます。ペン先の金具部分が長く、強度がしっかりした製品を選びましょう。製図用と書かれている品なら、問題ないでしょう。

次に、太さ。細いシャープペンシルは初心者段階ではコントロールしやすいのですが、指先に力が入りすぎて指の関節を傷めたり、腱鞘炎になりやすい傾向があります。なので、ベテランのプロは太めの筆を好む傾向があります。なので、やや太めの軸の太さがある方が、オススメです。

次に、ペンの重心。ペンの重心はペン先よりにある方が良いです。重心が反対側にあると、微妙なコントロールで問題が出やすいので、ペン先側に重心がある(重い)物を選んだほうが無難です。長時間使用すると、疲労もわずかですが蓄積されますし。

次に、滑り止めのグリップ。ペンが滑らないように、指先が当たる部分にすべり止めのグリップや溝が付いている製品は多いのですが、このグリップに使われている素材が、長く使うと劣化を起こして剥がれたり、フィット感が変化する場合があります。なるべく、経年劣化しないタイプがオススメです。以上の点から、以下の製品をオススメします。

  • ゼブラ テクト2ウェイ ライト(0.3ミリまたは0.5ミリ)
    http://amzn.to/2fpRZlN
  • ゼブラ テクト2ウェイ(0.3ミリまたは0.5ミリ)
    http://amzn.to/2fpPvDS

ライトのほうがプラスティック製で、お値段が安いです。通常版は金属のボディで、少し値段が高いです。どちらを購入してもかまいませんが、最初は安い方で充分でしょう。この製品がオススメなのは、製図用と同等の性能ながら、通常のシャープペンシルとして販売されているので入手が比較的簡単である点です。

さらに、ペン尻をノックしなくても、上下に振るだけで芯が出てくる『フリシャ機能』を持っている点です。プロの漫画家さんには、ペンを持ち替える動作さえ時間がもったいない、あるいはペンから指を離すと微妙な感覚が失われるのでイヤだという人もいます。そういう点で、プロにもオススメの製品です。余裕があるなら赤・青・黒の3種類を購入しましょう。理由は、次の芯の解説で。

シャープペンシルの芯

一般に、下書き用の真の濃さは、柔らかくて濃い2Bが推奨されることが多いです。理由は、柔らかいので原稿用紙を痛めないからとされます。最近は、筆圧の弱い小学生が増えたため、10Bという濃い色の鉛筆もあります。筆圧の弱い人は、2Bも良いでしょう。

しかし背景の作図においては、HB(ハード&ブラック)かF、またはHを推奨します。FはFirm(しっかりした)の略で、HBよりも堅くHよりも柔らかい芯のことです。濃い芯では、背景の下書きで多数の補助線を引いた場合、線が混乱しがちですし、消しゴムで消す作業も繁雑になります。

なので、硬くて薄い色の芯を使って、原稿用紙を傷めない柔らかいタッチで下書きを描く方が効率的な場合が多いのです。もちろんその場合、人物のデッサンには濃く柔らかい芯を使って、使い分けするのも良いでしょう。

  • 三菱鉛筆 シャープ芯 Hi-Uni 0.3 HB
    http://amzn.to/2eJynau
  • ぺんてる パック入りシャープペンシル替芯 Ain 替芯 シュタイン 0.3mm HB XC273-HB
    http://amzn.to/2eJCx2t
  • パイロット シャープ替芯 ネオックスグラファイト(neox GRAPHITE)【0.3mm/HB】 HRF3G2
    http://amzn.to/2eJAlaR

余裕がある人は、水色や赤色などのカラー芯も、併せて購入すると良いでしょう。背景を描くときに多数の補助線を引きますが、慣れない内はどれが補助線でどれが主線か、混乱しがちです。そんなときにカラー芯があると、線を引くときの使い分けが可能になり、便利です。水色や赤、黄色、緑など多数ありますが、まずは水色を試しに使ってみて、便利なら他の色を増やすのも良いでしょう。その場合、上で紹介したシャープペンシルも、カラー芯と同じ色を使うようにすると、便利に使えます。

  • 三菱鉛筆 ユニカラー カラー芯シャープ用替芯 0.5mm ミントブルー U05205C.32
    http://amzn.to/2eJzAyU

消しゴム

消しゴムは一般的なmonoの消しゴムで大丈夫ですが、できるだけ大きなタイプを選びましょう。アシスタント先で大量の消しゴム掛けをやらされ、腱鞘炎になって漫画家を挫折した新人がいるという伝説が、漫画業界にあります。真偽はわかりませんが、小さな消しゴムだと力を入れすぎて指の関節や手首を痛めやすいのは事実。大きめの消しゴムで柔らかいタッチで消すのが、原稿を破かないコツでもあります。

  • トンボ鉛筆 MONO 消しゴム モノPE09 PE-09A
    http://amzn.to/2fpOT0Z
  • トンボ鉛筆 MONO 消しゴム モノPE09 PE-04A
    http://amzn.to/2eba3lF
  • トンボ鉛筆 消しゴム MONO ノンダスト EN-MN
    http://amzn.to/2eJKhBr

これらの消しゴムに加えて、練り消しゴムもあると便利です。練り消しゴムでトーンの削りカスを吸着させたり、ペン軸が転がらないように筆置に使ったり、インクの残量が少なくなったときに傾けて使う台座に使ったり、イロイロな小技に使えます。これは、メーカーはどこの物でも問題ないでしょう。

定規

背景作図で定規は必需品ですが、多数の種類があります。しかし、講座で取りあえず必要な定規は次の三種類です。
・長定規
・三角定規
・短定規
それぞれの選び方は、個別に解説します。また、雲形定規は値段も高価で、どれが良いかは目的によって異なるので、講座で具体的な使い方と併せて説明しますので、ここでは紹介しません。

【長定規】
一般に、40センチ(400ミリ)以上の定規が長定規と呼ばれます。しかし、講座で使う場合は45センチ以上が推奨です。理由は簡単で、漫画で使われるB4サイズの原稿用紙は、縦364ミリ横257ミリなので、対角線が約445ミリあるので、一気に線を引くには45センチあると不足がありません。

漫画家では、50センチの長定規を愛用する人も多いです。これも理由は簡単で、B4サイズの原稿用紙を2枚並べたときの横幅が約501ミリなので、見開き原稿を描くときに便利な長さです。

60センチ定規を使う漫画家も一定割合でいます。コレは、見開き原稿の対角線の長さが、約629ミリあるので、コレ一本で多くの作業がこなせるからです。では、オススメの長定規を以下に。

  • Too アクリル直定規 45cm 目盛付 溝付
    http://amzn.to/2fpSFHB
  • ステッドラー カッティング用溝付方眼定規 962 07-45 45cm
    http://amzn.to/2fpRPe7
  • ステッドラー カッティング用方眼定規 962 06-50 5mm方眼 50cm
    http://amzn.to/2fpPlfU
  • Too アクリル直定規 60cm 目盛付 溝付
    http://amzn.to/2fpSgFm
  • 西敬 ニューアクリル定規60cm NA-6030
    http://amzn.to/2eJC00s
  • ダイソーの50センチ定規
    リンクなし
  • 内田洋行
    型番:1-807-7045 方眼直線定規 45cm型
    型番:1-807-0350 超硬直線定規 50cm型
    http://www.uchida-draft.com/web_catalog/jogi/01_chokusen/index.html

最初は安価な長定規で充分です。ダイソーの長定規は、補助用として購入すると、便利です。内田洋行の長定規は高価ですが、一般的な目盛やグリッド線がプリントされている長定規と異なり、定規に溝を刻んでそこにインクを流し込んでいるため、長期間使っても目盛やグリッド線が消えづらく、長い目で見るとお得です。

【三角定規】
三角定規は、2種類セット(二等辺三角形タイプとピタゴラス三角形タイプ)で、グリッド線が描かれていない、透明なタイプを推奨します。グリッド線も便利なのですが、講座では背景建物の下書きや補助線を描くのに多用しますので、透明で視認性が高い製品が便利です。

また、エッジ部分に斜めのカットが付いていないタイプが、背景を描くときに便利です。エッジに斜めのカットが付いているとペン入れにも使用できますが、三角定規は下書き専用と割り切って、エッジが垂直なタイプを選びましょう。以下に、推奨する三角定規を2種類、紹介します。

  • ステッドラー 三角定規 マルス 964 30 30cm
    http://amzn.to/2ebcvsH
  • ステッドラー 三角定規 マルス 964 36 36cm
    http://amzn.to/2ebcYuE

三角定規の具体的な使い方については、講義で解説しますが、エッジが垂直で、厚みがあり、中の穴が大きなタイプが便利です。

【短定規】
長定規や三角定規は、細かい作業の時には使いづらいので、小さくて取り回しの良い短定規を用意しましょう。短定規は一般に、10センチから15センチ程度の定規のことです。12センチなど、使いやすいサイズのモノもあります。

短定規は、ペン入れの際にも使用しますので、エッジに斜めのカットが付いているタイプが便利です。この斜めのカットは、幅が広い方が便利です。

短定規は、プロの場合は数ヶ月で使い捨てにすることが多いので、安価な製品で問題ありません。自分の手にシックリくるなら、どのメーカーでもかまいません。キティちゃんの短定規を愛用されてる漫画家もいます。

  • 無印良品ABS定規 15cm・白
    http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718031375
  • 無印良品アクリルダブル定規 15・30cm・クリ
    http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548076298793
  • ハローキティ[ものさし]15cmスリム定規/82538
    http://amzn.to/2ebfmS5

折りたたみタイプは、コンパクトに使えて伸ばせば30センチ定規にもなるので、愛用する人もいます。

インク・墨汁

インクはパイロットの製図用が、昔から推奨されています。万年筆用は印刷で上手く発色しないので使えません。ただ、近年は乾くと耐水性になり、カラー原稿を書くときに便利な証券用インクを愛用する人が増えています。

墨汁は開明堂が昔から愛用されており、インクより発色が良いという人も多いです。印刷技術が低かった頃は、墨汁の方が印刷の機械が読み取りやすかったという部分もありました。

ベタと呼ばれる、広い面積を黒一色で塗る場合、色むらが出にくいと言うことで、呉竹の墨汁を愛用する漫画家もいます。ただし、やや乾きが遅い傾向はあります。墨の華は消しゴムをかけたときに色が薄くなりにくいので愛用する作家も多く、大量に消費するプロには評判が良いです。

  • パイロット インキ製図用30ml INK-30-DR 30ml 黒
    http://amzn.to/2ebbf8Q
  • パイロット インキ証券用 INK-30-DO 30ml
    http://amzn.to/2eJHvfq
  • 開明 墨汁 墨池型 180ml BO1003
    http://amzn.to/2fmHijA
  • 開明 まんが墨汁 純黒 30ML
    http://amzn.to/2ebcGEe
  • 開明 墨の華 1.8L
    http://amzn.to/2fmF03L
  • 呉竹 インク 漫画ブラック CE100-6 60ml
    http://amzn.to/2fmHb7j

他にも、漫画専用のインクも多数発売されていますので、自分の好みに合った物を探しましょう。

修正液

修正だけに使われる訳ではないので、ホワイトとも呼ばれます。講座では使うことはあまりありませんが、自宅で課題を描くときなどに必要になることが多いので、紹介します。
昔から愛用されているのがミスノンやぺんてるの修正液。

・ライオン事務器 修正液 ミスノン 油性インキ用 W-20
http://amzn.to/2eJHLeu

  • ペンテル 修正液ボトル XEZL1-W
    http://amzn.to/2fo0vDZ
  • NICKER ポスターカラー 140ml No.51 ホワイト
    http://amzn.to/2fmJwPR
  • コピックオペークホワイト
    http://copic.jp/product/white/
  • Dr.Ph.Martin’s ドクターマーチン ペンホワイト29.5ml
    http://amzn.to/2fmGV8w

マーチンは、直接ペン先に付けて白い線を描くこともできるので、使用する人が多いです。そのような使い方では、開明 白墨液
180ML(http://amzn.to/2eJJoZy)を愛用する方もいます。

ペン先

ペン先は現在、漫画用として専用のものが登場していますので、そちらを選んでおけば間違いないでしょう。チタン製など高価なものもありますが、まずはゼブラの普及用で充分でしょう。

  • ゼブラ 漫画用ペン先 Gペン No.G PG-6B-C-K クローム 10
    http://amzn.to/2fmPqAt
  • ゼブラ 漫画用ペン先 タマペン No.120 PT-6B-C-K クローム 10本
    http://amzn.to/2ebdtVL
  • ゼブラ 漫画用ペン先 丸ペン-A No.2586-A PM-1C-A-K 10本
    http://amzn.to/2ebfoJQ
  • 日光 コミックペン先 N-丸ペン 2本入り N659-2
    http://amzn.to/2ebekFS
  • ゼブラ 漫画用ペン先 ハードGペン PG-8B-C-K 10本
    http://amzn.to/2fnYzLz
  • Risa タチカワ スクールペン先 5本入
    http://amzn.to/2ebf6Tj

なお、ペン軸は個人の好みが大きいので、特に推薦する製品はありません。

筆ペン

筆ペンは樹木編以外では使用しませんが、漫画を描く上では持っていて便利な道具です。ぺんてる製がよく使われますが、墨の発色の良さと滑らかさが良いので、呉竹を愛用する漫画家も多いです。ただし、墨汁同様に呉竹はやや乾きが遅いです。

  • ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 中字 黒 XFL2L
    http://amzn.to/2ebdBVm
  • ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 XFL2F 極細 黒
    http://amzn.to/2eJL2KA
  • 呉竹 ZIGCARTOONISTBRUSHPENNO.22CNDM150-22S
    http://amzn.to/2fo3A6Z
  • パイロット 筆ペン 小筆軟筆 SV-30KS-B
    http://amzn.to/2ebjOAD
  • コピック画箋筆
    http://amzn.to/2fo14gK

髪の毛のツヤベタ用など、多種多様な筆ペンを揃えている漫画家もいますので、オーソドックスなところで。高級品でかなり高価なものもありますが、まずはこれらを使用して、自分に合ったものを探すのが良いでしょう。

ラブトーン

スクリーントーンを使用する時、原稿用紙に定着させるために使う道具です。ペットボトルのキャップなどでも代用できますが、専用のものは使いやすいです。

  • デリーター トーンヘラ
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  • ホルベイン マクソン コミックスティック
    http://amzn.to/2fo8Kjn

デザインナイフ・カッターナイフ

スクリーントーンを削るときによく使われるのが、デザインナイフやカッターナイフです。デザインナイフは、刃先の角度が2種類あります。個人の好みもありますが、自分が削りやすい角度の刃を選ぶよう心掛けましょう。ベテランの漫画家はカッターナイフを愛用する人が多く、歯を伸ばす長さによって多数のテクニックがあります。慣れてくると大型のカッターを使う漫画家もいます。カッターのテール部分が丸や平べったいものを使って、ラブトーン代わりに使う人もいます。

  • エヌティー エコシリーズ デザインナイフ 黒 再生樹脂 替刃付 eD-400
    http://amzn.to/2ebiDkB
  • オルファ(OLFA) アートナイフ 10B
    http://amzn.to/2ebhs4w
  • NT カッタ-A型 A300RP
    http://amzn.to/2eJSvtk
  • オルファ カッター 大型 万能L型 11BS
    http://amzn.to/2ebkfuD

漫画には他に、ロットリングやサインペン、マジックなど多様な道具があります。ティッシュペーパーやカッティングマットなども必需品だったり、羽箒やトレース台が必要な人もいますが、まずは上記の道具を一通り揃えれば充分です。

講座で使用する紙はこちらで用意しますが、自宅で練習用に使える紙を紹介します。投稿用に基準版面などが青線で印刷されている原稿用紙もありますが、印刷してあるためややインクを弾く傾向があります。なので練習用には安価で、描きやすい紙をオススメします。

・世界堂 B4上質紙135キロ
・世界堂 B4上質紙110キロ

初心者のうちは、やや厚めの135キロタイプを、慣れてきたら110キロタイプを使用しましょう。